推し、見ゆ - 歩み

推しが結婚した。ファンにバズったらしい________

どうも、昼間から文字通りテンションが乱高下している歩みです。普段のブログは自分でも信じ難いほど添削しますが、今日はそれどころじゃない。
「推し、燃ゆ」に倣い、小説テイストで今日の狂乱を振り返ります。
これが本物のオタクじゃ！~~目指せ芥川賞！~~

午前9時。暑い。珍しく起床に成功し、質素な朝食を済ませて大学の図書館に向かった。
午前10時。来週に控えた演習発表に向け、和装本と注釈を漁る。眠すぎて集中できず、大した進捗も生み出せない。
正午。「明日は明日の風が吹く」と早々に諦め、今日発売の雑誌を買いに行くことにした。厄介オタクにふさわしく、事前に取り置きを頼んでいたのだ。

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『は～～～いつ何時もビジュエグいな～～～～本当にあと一週間で36歳なの？ありえん』
とめどなく生まれる心の声を押し殺しながら、マスク越しに不敵な笑みを浮かべる。

正午過ぎ。電車に乗り込むと同時にメールが来た。推しのファンクラブからだ。一昨年から第二の人生を歩みはじめた推し。珍しい、ブログ更新したんだ。

初見。え、文章短っ！もう一回読むか。
2周目。おぼろげながら浮かんできたんです、「結婚」という2文字が。あ？見間違い？いやいやいやいやもう一回読むか。
3周目。

プライベートの事で恐縮ですが、この度、結婚致しました事をご報告させて頂きます。

へーーーすばる結婚したんだそっかー、結k

結婚！！！？！！！！！？？？！！！！！！！！？？

脊髄反射で、サンシャイン池崎と同じくらいの声量で叫んでしまった。電車内なのに。
この上なく冷ややかな視線を感じる。しかも全方向から。あまりのいたたまれなさに、途中下車して次の車両に乗り換えた。

一瞬の出来事だった。
限りある言語野がTwitterと連動し、光の速さでハッシュタグをつけ、喜怒哀楽、阿鼻叫喚、叱咤激励...すべての感情が入り混じった心からの祝福を全世界に拡散していた。

すばるの幸せはShubabuの幸せだから世界一幸せでいてほしい

冷静に読むと恥ずかしいが、我を失ったオタクに冷静さなど存在しない。

ふらふらと繁華街を歩き、どうにか正気を保って書店に着いた。カウンターでお目当ての雑誌に対面してもしばらくは上の空で、店員の発言を3回聞き返した。

もう今日は無理だ。何一つ考えられん。

書店の片隅でうなだれ、Twitterを開く。ものすごい勢いでツイートが伸びていた。eighterさん(Shubabuさん)すごい。けど怖い。次の瞬間、あろうことかアカウントに鍵をかけていた。ツイ消しする勇気はなかった。どこまで小心者なんだろう。

午後1時。SNSを巡回しながら電車に飛び乗り、帰路に着く。推しは瞬く間にトレンド上位を独占した。バズった。推しの一員になりつつある(矢花黎／7 MEN 侍)の舞台当選のメールが来たが、手放しに喜べなかった。ごめん矢花、ちょっとタイミングが悪い。

午後2時。感情が行方不明になり、意味もなく母親と友達に電話をかけた。自分が喜んでいるのか、悲しんでいるのかさえわからなかった。「明日ヨコの誕生日だもんね」「マルあたり今ごろ泣いてるんじゃない？」
卒業発表から3年以上経っているのに、今でも推しは7人組だと思ってしまう。他愛のない会話のおかげで安らいだ。

午後3時。気持ちの整理をつけるためにブログを書く。書いては消す。消しては書く。

午後4時。文章としてまとまるにつれ、自分にとって推しがどれほど日々の支えになっているか痛感した。特別な存在。ヴェルタースオリジナルのおじいさんが脳裏をよぎる。

午後5時。推しの曲を流しつつ、ブログの予約投稿を済ませた。歪んだ人間なので歌詞に余計な憶測を産んでしまう。

もちろんいい年齢だし「いつかこんな日が来る」と分かっていた。何なら願っていた。ただ10年間ずっと推しの姿と声と音楽に救われてきて、勝手に身近な存在だと感じていた。相手を公表していない以上、余計な詮索はできない。ていうかしてはいけない。推しのプライベートにオタクが土足で介入するのは一番の禁じ手だから。(「推し、燃ゆ」の主人公と違ってそこは大人なので...)

先月末はオンラインライブに参戦した。