これまで滝のようにドリンクや料理を紹介してきましたが、趣向を変えて内装に着目します。
老舗であればあるほど創業当時の文化や時代背景を感じられます。純喫茶は概ね個人経営なので、店主の嗜好やコンセプトにこだわった店内から人間性を探るのも好き。クセがすごい常連さん(ⓒ千鳥ノブ)が多いから人間観察も楽しい。もう変態ですね。
①ギャラン(上野)
ドアを開けば、煌々と輝くシャンデリアや純喫茶特有のひっくいテーブルセットが目に飛び込みます。
純喫茶あるある。観葉植物(造花)置きがち。
また店内BGMのセンスが絶妙なんですわ。キャンディーズ、チェッカーズ、おニャン子クラブ…懐メロや歌謡曲が無限に流れる。現代であみん流してるのギャランだけだと思う。
あとウェイトレスのユニフォームが可愛い。黄色のインナーに赤いギンガムチェックのセットアップで親しみやすい雰囲気です。
もちろんメニューもザ・純喫茶の風貌。
②コーヒー ロン(四ッ谷)
吹き抜けになっているからか、レンガ造りなのに解放感があります。昼時はサラリーマンの巣窟と化し、四方八方で商談が行われます。
私が訪れた際のBGMはビートルズでした。
③喫茶室 ルモンド(四谷三丁目)
元祖マンガ喫茶と呼ぶにふさわしい。壁の一部がバカデカい本棚になっていて、陽に灼けまくって哀愁漂う少年コミックがわんさか並んでいます。
四ッ谷の純喫茶ならロンとジョリーが有名ですが、ルモンドは席数も多く快適に過ごせる穴場。ここに書くか迷うくらいよく行くけどまあいいや。軽食メニューが充実してます。
ストーンズからEWFまで幅広いジャンルのポップスが流れてる印象です。写真なくてすいません。
④名曲・珈琲 麦(本郷三丁目)
プリン編に続いてランクイン。
kaderi.hatenablog.com
地下の隠れ家に馴染む深紅のカーペット、年季の入ったコーヒーテーブルとソファ、そして店内を包み込むクラシックとジャズ。ギャランが日本のバブル経済を象徴する喫茶店なら、麦は近代ヨーロッパの民衆の憩いの場って感じ。頼む、伝わってくれ。
関係ないけど看板の弱々しいフォントが好きです。
⑤神田 伯剌西爾(神保町)
居酒屋の小上がり的なレイアウト。初見でも根拠不明の常連感が湧きます。
⑥物豆奇(西荻窪)
例が絶対に間違ってるけど郊外のびっくりドンキーみたいなガラクタ加減。アンティークの掛け時計とランプが山ほど設置されてる。情報量が多いお店は行く度に新たな発見があっていいですね。
⑦珈琲ハウス エイト(新中野)
顔のようなロゴは漫画家・小池一夫氏のデザインです。
壁紙とテーブルのコントラストがポップで可愛い。
店主の体力面から、営業時間は平日昼間のわずかな時間だけ。辿りつけたらラッキー。
日替わりランチの選択肢が豊富。珍しいガーリックシュリンプが美味しかったです。
連日怒涛のペースで情報漏洩に勤しんだ純喫茶紹介も明日がラストです。お見逃しなく。