私の趣味のひとつに「純喫茶めぐり」があります。都会の喧騒を離れ、昭和レトロの世界にタイムスリップした気分になって本当に楽しい。
数えたら今年だけで12軒行ってました。だからお金がないんですね。今日の夕食もカップ麺です。
今回訪れたのは武蔵境にある「珈琲館 くすの樹」。ドラマ「相棒」のロケ地にもなった創業約40年の人気店です。
で、なぜ3時間も待って喫茶店に?
4月15日で閉店だったんです!!!
今を逃せば次はない。「大行列にびっくり💦」「1時間30分待ち」「最後に行きたかったけどもう無理そう、、、」などのツイートを見るたびに気が滅入りましたが、意を決して訪問してきました。
4月13日(実は"喫茶店の日"らしい)、土曜日。くすの樹は中央線武蔵境駅と東小金井駅の間にあり、どう頑張っても駅から徒歩20分+休日の混雑を予見し早起きしました。
まあその分バスは多いんですが、そこにお金をかけるならコーヒーに投資したいよね。歩きましたよ往復40分。
あぁ、ようやく見えてきた!レンガと青い屋根が可愛、、、
え、ざっと20人は並んでません、、、???
隣で「うちら8時から待ってるのにまだ入れないよ~~~」というパワーフレーズが聞こえた。ヤバイヤバイヤバイヤバイ
でもここまで来て安易に引き返すほど弱い人間じゃない。一応タイムリミットを決めて戦闘開始!
30分経過。ホームページでメニューを眺めるごとに膨らむ期待。うわ~迷う、楽しみ!
45分経過。一応予約表見てみるか、、、うーわやめときゃよかった。全然減ってない、、、
1時間経過。客の出入りを目で確認することで正気を保つ。近くでぐずる幼児にイライラしてきた。いかんいかん。
1時間15分経過。リタイア客が増えてきた。関東バス乗客からの視線が熱い。
1時間30分経過。予約表を見る。まだまだまだ先は長い。次第にチベットスナギツネ顔になるのが自分でもわかる。
1時間45分経過。もう今日中に呼ばれない気がしてきた
2時間経過。隣のおば(あ)さんコンビの世間話に参加する。あれ、私何しに来たんだっけ??
2時間15分経過。突如悟りを開く。仏のような心で再度メニューに目を通し村上春樹を読む。そうだよね、店員さんも頑張ってるし、お客さんの流れもある。うんうん、あと少しの辛抱。もしのんびりガールズトークしてる奴いたら許さないからなマジで
2時間30分経過。宝塚音楽学校の合格発表さながらの緊張感でそのときを待つ。
2時間45分経過。あと3組!!!
そして、、、ちょうど3時間が経過しようとしたとき、、、
呼ばれたーーーーー!!!
まさに天啓でした。優越感以外の感情を持たず入店。店内の雰囲気も文句なしですね。
選んだのは蔵出し珈琲、厳選ロースカツサンド、レモンのシフォン。最初で最後だから贅沢していいよね。
蔵出し珈琲は純喫茶にハマってちゃんとしたコーヒーを飲むようになってから一番美味しかった。
食レポっぽく言うと、甘みと苦みのバランスがちょうどよくて、濃いのに全然しつこくない。本物のコーヒーは砂糖もミルクも必要ない(と思ってます)。
続いてカツサンド。手持ちで申し訳ないんですが、この肉汁!冷めてもジューシーで感動。なんで「ソース」って2行で書いたんだろうね。
シフォンケーキは酸味よりはちみつとホワイトチョコっぽい甘さが際立つ優しい味。
五感でくすの樹を堪能して帰路に着きました。幸せ。
これが最初で最後の訪問になったのは寂しいですね。平成の終焉とともに昭和が続々姿を消す寂しさ。3月に閉店した浅草の老舗「アンヂェラス」に90分並んだときも同じ気持ちになった。
まあ純喫茶めぐりは金欠大学生にはしんどい趣味なんですけど、片足突っ込んだからには好きなときに好きな店行こうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
‐おわり‐